2013年6月9日日曜日

福祉の現場③ 配偶者からDVを受けた外国人の在留 ―後篇―

とっくに梅雨入りをしたみたいなのに、東京はなかなか雨が降りません。

夏の野菜をベランダで植えているので、晴れてくれると成長が早くてうれしいのですが、プチトマトの成長が驚くほど早くて、夏にはどうなってしまうのか・・・

ベランダの主みたいになってきて、ちょっと怖いです。

さて、前回に引き続き、外国人のDV関連について書いていきます。

私は、ポルトガル語の相談員として、都内の外国人相談センターに週1回勤めています。

そこでは、在留相談を中心に、生活相談も幅広く受け付け、必要な場合には他機関につなぐのですが、最近、たまたまなのか、DV被害を受けて相談に至るケースが増えてきていると感じています。

相談者の在留資格は、日本人の配偶者から、家族滞在、永住者まで様々です。

相談センターでは直接、こうした相談者への支援はできません。

なので、ご本人がどのような希望を持っているのかをヒアリングして、日本の制度の紹介や社会資源を探したりします。

日本の制度については、法律でいえば、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」いわゆる、「DV防止法」がありますね。

この法律の中で、外国人にも関連する規定があります。
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(職務関係者による配慮等)
第二十三条  配偶者からの暴力に係る被害者の保護、捜査、裁判等に職務上関係のある者(次項において「職務関係者」という。)は、その職務を行うに当たり、被害者の心身の状況、その置かれている環境等を踏まえ、被害者の国籍、障害の有無等を問わずその人権を尊重するととも、その安全の確保及び秘密の保持に十分な配慮をしなければならない。
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実際の現場では、国籍を問わず対処しつつ、言葉の問題やその外国人が非正規滞在者ではないか?在留資格が更新できるのか?とうことも重要な問題になってくると思います。
内閣府男女共同参画局の配偶者からの暴力被害者支援情報のウェブサイトでは、被害者が外国人の場合 について、説明があります。
特別な配慮としてポイントとなるのは、やはり、入管法62条第2項にある公務員の非正規滞在者の通報義務でしょう。(福祉の現場 ①まずは外国人の法的地位の確認を!の記事
非正規滞在者(オーバーステイや不法就労者)の立場は、そのまま何もしなければ、非正規滞在者のままです。つまり、退去強制の対象者のままなのです。
まずは、外国人被害者の保護や人権尊重、安全の確保が最優先されますが、状況が落ち着けば、入国管理局に出頭し、日本に引き続き在留を希望する場合には、退去強制手続きの中での在留特別許可を願い出ることになります。
また、非正規滞在者でなくても、例えば、日本人の配偶者として在留している場合、日本人配偶者から在留期間の更新の協力が得られない場合で、引き続き在留を希望する場合には、その裏付けとなる立証資料が必要です。
その際に、押さえておきたいのが各機関から出される「通知」です。
相談・支援団体がこれらの通知を熟知したうえで、入管や他の行政機関と協力体制ができれば理想だと思います。
あと、もちろん、入管の手続きにに詳しい、行政書士、弁護士の協力も!
以下、主な通知です。(リンク先は、配偶者からの暴力被害者支援情報のウェブサイトに掲載されている通知の一部です)
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法務省入国管理局長 → 入管各局長宛て
国や地方公共団体の職員が、退去強制の対象となる外国人に対しての対応についてです。
原則、通報義務が課せられていますが、通報によって行政機関に課せられている行政目的が達成できない例外的な場合には、通報義務によって守られる利益と各官署の職務の遂行という公益を比較衡量して、個別に判断することが可能、と記載があります。
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法務省入国管理局長 → 入国者収容所長、地方入国管理局長、地方入国管理局支局長宛て
入国管理局での「DV事案に係る措置要領」
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内閣府男女共同参画局長、警視庁生活安全局長、法務省大臣官房長、厚労省雇用均等・児童家庭局長 → 都道府県知事宛て
都道府県が基本方針に即して基本法計画を定めなければならず、市町村は基本方針と基本計画を勘案して、基本計画を定める努力義務がある、と記載があります。
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<外国人被害者に関連した記載>
P12 4 被害者からの相談等 > (1)配偶者暴力相談支援センター > ア 相談窓口の周知
P13 4 被害者からの相談等 > (1)配偶者暴力相談支援センター > イ 相談を受けた場合の対応
P20 6 被害者の緊急時における安全の確保及び一時保護等 > (2)一時保護 > オ 一時保護を委託する施設
P30 10 職務関係者による配慮・研修及び啓発 > (1)職務関係者による配慮 > ウ 外国人等の人権の尊重
P37 12 教育啓発 > (1)啓発の実施方法と留意事項
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警察庁生活安全局生活安全企画課長 → 警視庁生活安全部長、各道府県警察本部長宛て
この通知の最後に、「外国人等の人権の尊重」について記載があります。
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外国人登録登録法が廃止され、住民基本台帳法が一部改正されたことにより、H24.7.9以降は、外国人住民に対しても、住民基本台帳法の一部の写しの閲覧及び住民票の写し等の交付などのDV、ストーカー行為の被害者保護のための支援措置が適用されることになりました。
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以上、DVに関する情報でした。
DV被害者の支援は、本人の安全確保を第一に、そして、在留資格についての特別な知識が必要になります。

ですので、ぜひ、行政書士や弁護士の専門家に相談をして、活用してください。
当事務所でも可能な限り、協力していきたいと考えています。